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木曾路はすべて山の中である。

キャプションがある場合:木曽路はすべて山の中

あるところは岨づたいに行く崖の道であり、あるところは数十間の深さに臨む木曾川の岸であり、あるところは山の尾をめぐる谷の入り口である。

一筋の街道はこの深い森林地帯を貫いていた。<h2>

東ざかいの桜沢から、西の十曲峠まで、木曾十一宿はこの街道に添うて、二十二里余にわたる長い谿谷の間に散在していた。

写真:渓谷のせせらぎ

道路の位置も幾たびか改まったもので、古道はいつのまにか深い山間に埋もれた。<h3>

  • 名高い桟も、蔦のかずらを頼みにしたような危い場処ではなくなって、徳川時代の末にはすでに渡ることのできる橋であった
  • 新規に新規にとできた道はだんだん谷の下の方の位置へと降って来た
  • 道の狭いところには、木を伐って並べ、藤づるでからめ、それで街道の狭いのを補った

長い間にこの木曾路に起こって来た変化<h3>

  1. いくらかずつでも嶮岨な山坂の多いところを歩きよくした
  2. そのかわり、大雨ごとにやって来る河水の氾濫が旅行を困難にする
  3. そのたびに旅人は最寄り最寄りの宿場に逗留して、道路の開通を待つこともめずらしくない
  4. この街道の変遷は幾世紀にわたる封建時代の発達をも、その制度組織の用心深さをも語っていた。いくらかずつでも嶮岨な山坂の多いところを歩きよくした

鉄砲を改め女を改めるほど旅行者の取り締まりを厳重にした時代に、これほどよい要害の地勢もないからである。

キャプションなし

この谿谷の最も深いところには木曾福島の関所も隠れていた。木曾路はすべて山の中である。あるところは岨づたいに行く崖の道であり、あるところは数十間の深さに臨む木曾川の岸であり、あるところは山の尾をめぐる谷の入り口である。一筋の街道はこの深い森林地帯を貫いていた。

画面横幅より小さい画像をフルサイズでセンター合わせ<h3>

フルサイズが横幅未満の画像

東ざかいの桜沢から、西の十曲峠まで、木曾十一宿はこの街道に添うて、二十二里余にわたる長い谿谷の間に散在していた。
道路の位置も幾たびか改まったもので、古道はいつのまにか深い山間に埋もれた。名高い桟も、蔦のかずらを頼みにしたような危い場処ではなくなった。

恥の多い生涯を送って来ました。

恥の多い生涯を送って来ました。自分には、人間の生活というものが、見当つかないのです。自分は東北の田舎に生れましたので、汽車をはじめて見たのは、よほど大きくなってからでした。

本文左、画像右に配置の場合<h3>

自分には、人間の生活というものが、見当つかないのです。自分は東北の田舎に生れましたので、汽車をはじめて見たのは、よほど大きくなってからでした。
自分は停車場のブリッジを、上って、降りて、そうしてそれが線路をまたぎ越えるために造られたものだという事には全然気づかず、ただそれは停車場の構内を外国の遊戯場みたいに、複雑に楽しく、ハイカラにするためにのみ、設備せられてあるものだとばかり思っていました。
お花

画像サイズ均等に3枚並びの場合<h3>

3枚並びテキスト下部の場合<h3>


何という考もなかったから別段恐しいとも思わなかった。ただ彼の掌に載せられてスーと持ち上げられた時何だかフワフワした感じがあったばかりである。

何という考もなかったから別段恐しいとも思わなかった。ただ彼の掌に載せられてスーと持ち上げられた時何だかフワフワした感じがあったばかりである。

何という考もなかったから別段恐しいとも思わなかった。ただ彼の掌に載せられてスーと持ち上げられた時何だかフワフワした感じがあったばかりである。

恥の多い生涯を送って来ました。自分には、人間の生活というものが、見当つかないのです。自分は東北の田舎に生れましたので、汽車をはじめて見たのは、よほど大きくなってからでした。

画像4枚以上横並びの場合サムネイル・拡大リンク付き<h3>

恥の多い生涯を送って来ました。自分には、人間の生活というものが、見当つかないのです。自分は東北の田舎に生れましたので、汽車をはじめて見たのは、よほど大きくなってからでした。

お花

画像等幅で2枚並べ<h3>

キャプションなし
写真:渓谷のせせらぎ

画像左、本文右配置の場合<h3>

お花
しかも、かなり永い間そう思っていたのです。ブリッジの上ったり降りたりは、自分にはむしろ、ずいぶん垢抜けのした遊戯で、それは鉄道のサーヴィスの中でも、最も気のきいたサーヴィスの一つだと思っていたのですが、のちにそれはただ旅客が線路をまたぎ越えるための頗る実利的な階段に過ぎないのを発見して、にわかに興が覚めました。

また、自分は子供の頃、絵本で地下鉄道というものを見て、これもやはり、実利的な必要から案出せられたものではなく、地上の車に乗るよりは、地下の車に乗ったほうが風がわりで面白い遊びだから、とばかり思っていました。


吾輩は猫である。名前はまだ無い

どこで生れたかとんと見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。吾輩はここで始めて人間というものを見た。しかもあとで聞くとそれは書生という人間中で一番獰悪な種族であったそうだ。

この書生というのは時々我々を捕えて煮て食うという話である

吾輩は猫である。名前はまだ無い。どこで生れたかとんと見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。吾輩はここで始めて人間というものを見た。しかもあとで聞くとそれは書生という人間中で一番獰悪な種族であったそうだ。

しかしその当時は

何という考もなかったから別段恐しいとも思わなかった。ただ彼の掌に載せられてスーと持ち上げられた時何だかフワフワした感じがあったばかりである。掌の上で少し落ちついて書生の顔を見たのがいわゆる人間というものの見始であろう。

この時妙なものだと思った感じが今でも残っている。

第一毛をもって装飾されべきはずの顔がつるつるしてまるで薬缶だ。その後猫にもだいぶ逢ったがこんな片輪には一度も出会わした事がない。のみならず顔の真中があまりに突起している。
そうしてその穴の中から時々ぷうぷうと煙を吹く。
どうも咽せぽくて実に弱った。これが人間の飲む煙草というものである事はようやくこの頃知った。

吾輩は猫である。名前はまだ無い。どこで生れたかとんと見当がつかぬ

20180222追記

ようやくの思いで笹原を這い出すと向うに大きな池がある。

ニャー、ニャーと試みにやって見たが誰も来ない。

主人は鼻の下の黒い毛を撚ひねりながら吾輩の顔をしばらく眺ながめておったが、
やがてそんなら内へ置いてやれといったまま奥へ這入はいってしまった。
主人はあまり口を聞かぬ人と見えた。
下女は口惜くやしそうに吾輩を台所へ抛ほうり出した。かくして吾輩はついにこの家うちを自分の住家すみかと極きめる事にしたのである。

2018302追記:リストを横並びにする場合のスタイルを追加

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